水戸地方裁判所 平成10年(わ)129号
主文
被告人を懲役一年及び罰金一六〇〇万円に処する。
罰金を完納することができないときは、五万円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から四年間懲役刑の執行を猶予する。
理由
(犯罪事実)
被告人は、昭和五五年から平成七年一一月まで茨城県行方郡潮来町日の出八丁目一九番地の一六に居住し、同所において直井建材の名称で山砂の採取・販売業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、売上を除外するなどの方法により所得を秘匿した上、以下の犯行に及んだ。
第一 被告人は、平成四年分の実際所得金額が別紙一の1記載のとおり八一六四万三一八八円で、これに対する所得税額が三五三〇万六〇〇〇円であったにもかかわらず、平成五年三月一二日、茨城県行方郡潮来町大字延方甲一三五八所在の所轄潮来税務署において、同税務署長に対し、被告人の平成四年分の総所得金額が四八二万七三六五円で、これに対する所得税額が二九万八〇〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告人の平成四年分における正規の所得税額と右申告税額との差額三五〇〇万八〇〇〇円を免れた(脱税額の計算は別紙二の(1)記載のとおり)。
第二 被告人は、平成五年分の実際所得金額が別紙一の2記載のとおり四四三八万二六七九円で、これに対する所得税額が一六三五万〇五〇〇円であったにもかかわらず、平成六年三月一四日、前記潮来税務署において、同税務署長に対し、被告人の平成五年分の総所得金額が四九九万八二〇四円で、これに対する所得税額が三二万三四〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告人の平成五年分における正規の所得税額を右申告税額との差額一六〇二万七一〇〇円を免れた(脱税額の計算は別紙二の(2)記載のとおり)。
第三 被告人は、平成六年分の実際所得金額が別紙一の3記載のとおり二五〇四万二八六八円で、これに対する所得税額が五一八万三二〇〇円であったにもかかわらず、平成七年三月一五日、前記潮来税務署において、同税務署長に対し、被告人の平成六年分の総所得金額が五〇二万一九六三円で、これに対する所得税額が一八万三三〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告人の平成六年分における正規の所得税額を右申告税額との差額四九九万九九〇〇円を免れた(脱税額の計算は別紙二の(3)記載のとおり)。
(証拠)
括弧内の甲・乙の番号は検察官請求証拠番号を示す。
全部の事実について
一 被告人の
1 公判供述
2 検察官に対する供述調書(乙一から一二までと一四)
一 大川彰一(甲六七)、羽生正男(甲六八)、井能耕蔵(甲六九)、橋本茂夫(甲七〇)、高橋一博(甲七一)、山本芳枝(甲七二)、平山千恵子(甲七三)、秦俊浩(甲七四)、永作貴司(甲七五)、小沼進(甲七六)、庄司一夫(甲七七)、大泉有二(甲七八)、荒井照美(甲七九)、箕輪長衛(甲八〇)、箕輪はつえ(甲八一)、山本登美男(甲八二、八三)、髙寺秀雄(甲八四、八五)、直井みつよ(甲八八から九一まで)の検察官に対する供述調書
一 売上調査書(甲三九)
一 仕入調査書(甲四〇)
一 給料賃金調査書(甲四一)
一 外注工賃調査書(甲四二)
一 減価償却費調査書(甲四三)
一 貸倒金調査書(甲四五)
一 地代家賃調査書(甲四六)
一 利子割引料調査書(甲四七)
一 租税公課調査書(甲四八)
一 水道光熱費調査書(甲四九)
一 旅費交通費調査書(甲五〇)
一 通信費調査書(甲五二)
一 公告宣伝費調査書(甲五三)
一 接待交際費調査書(甲五四)
一 損害保険料調査書(甲五五)
一 修繕費調査書(甲五六)
一 消耗品費調査書(甲五七)
一 福利厚生費調査書(甲五八)
一 リース料調査書(甲五九)
一 燃料費調査書(甲六〇)
一 支払手数料調査書(甲六一)
一 採掘費償却調査書(甲六二)
一 雑費調査書(甲六三)
一 不動産所得調査書(甲六四)
一 総合譲渡所得調査書(甲六五)
一 預貯金調査書(甲六六)
一 捜査報告書(甲四四、五一)
一 専従者控除調査書(甲九三)
一 戸籍の附票の謄本(乙一六)
第一の事実について
一 平成四年分の所得税の確定申告書一通(平成一〇年押第三四号の一)、平成四年分収支内訳書一通(同押号の七)
第二の事実について
一 ダンプ所得費調査書(甲九二)
一 平成五年分の所得税の確定申告書一通(同押号の三)、平成五年分収支内訳書一通(同押号の八)
第三の事実について
一 平成六年分の所得税の確定申告書一通(同押号の四)、平成六年分収支内訳書一通(同押号の九)
(法令の適用)
罰条 いずれも平成一〇年法律第二四号附則二〇条により、同法による改正前の所得税法二三八条一項
刑種の選択 いずれも懲役刑及び罰金刑
第一、第二の罪について、五〇〇万円を越え、その免れた所得税の額に相当する金額以下の罰金を科することについて
いずれも所得税法二三八条二項
併合罪の処理 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項(懲役刑については犯情の最も重い第一の罪の刑に加重し、罰金刑については各罪所定の罰金の多額の合計)
労役場留置 刑法一八条
懲役刑の執行猶予 刑法二五条一項
(出席した検察官布村希志子)
(裁判官 鈴木秀行)
別紙1-1
修正損益計算書
自 平成4年1月1日
至 平成4年12月31日
直井敦夫
No.1
<省略>
<省略>
<省略>
別紙1-2
修正損益計算書
自 平成5年1月1日
至 平成5年12月31日
直井敦夫
No.2
<省略>
<省略>
<省略>
別紙1-3
修正損益計算書
自 平成6年1月1日
至 平成6年12月31日
直井敦夫
No.3
<省略>
<省略>
<省略>
別紙2
ほ脱税額計算書
直井敦夫
(1) 平成4年分
<省略>
(2) 平成5年分
<省略>
(3) 平成6年分
<省略>